【 競馬学 】

歴史ある高知競馬場


守り神もいろいろあるようで

 土佐の古名を「建依別の国(たけよりわけ)」と美称され土佐人が好む言葉だそうだが建依別の時代(豊臣秀吉に降伏した長曾我部元親)に土佐駒がいた。当時の日本で最も矮さい種類の馬だそうだが戦の道 具として活躍していた。 土佐の国で連戦連敗中の八歳牝馬が守り神として人気があり高知競馬組合として は、これを機会に馬券売り上げ増を期待し地方競馬場で馬券の全国発売をするという。

 守り神にはいろいろあるようで、馬券が当たらないから身の回りと、交通安全のお守りとして馬券を買う、お馬の神様を崇拝するのもよいものですね。神社を参拝すると絵馬殿がある、絵馬の裏には願いごとや、感謝の言葉を書いた絵馬が多く納められている。古い時代には、神に馬をささげ、馬が貴重であった。また、有力者の寄進で神事に用いる神馬があつめられた時代もあった。
 高知競馬は高知県と高知市が出資。明治以来、約九十年の歴史があり、今や累積赤字が八十八億円、赤字を理由に経費削減として最初にしたことが出走手当てを従来の半額の二万五千円に削減、役人の手当てはどうなのか、減給などの対応をしているのか疑問で、経営努力の方法など白書報告を読んでみたいものである。馬一頭の預託料は全国で一番安い一ヶ月約九万円、1着賞金も低い。これでは飼葉、寝ワラも買えない、馬主、調教師などこんな環境で生活しなければならない。必要なものも買えない、赤字覚悟で馬の世話をしなければならない、環境の悪循環では、良い番組が組めない、馬券売り上げが減少する、競馬場に行く気にもならない、魅力がないからファンが離れていくのである。

 公営競馬所属の馬主・調教師・厩務員など馬に携わる人たちは、馬が好きで係わっているのでしょうが、可愛い、大切であると思うのなら肥育場に送ることはせず、この世に生をうけたのだから、粗末に扱うということは避けていただきたい。馬は先祖代々、大切な動物として神馬になり、ある時代は軍馬として活躍してきているのです。高知競馬の関係者の馬にたいする「思いやり」と「愛情ある」競馬ファンがいることで、ハルウララ号も運が良かったと思う。
 ハルウララの調教師、宗石大師は馬が走れなくなって馬運車に乗るときに涙を流すという、自分の運命を知って厩舎を離れ、馬運車のなかから師の姿を見ては涙を流す、馬との別れで悲しい顔はみたくないと話す。走れるうちは赤字をだしても馬を処分にだしたくない、人生は馬と一緒、馬で生計を立てているのだから粗末に扱えない、勝手に定年を決められないと語っている。

 竜馬の故郷、高知県競馬組合で赤字決算が続き廃止か存続かで話題になっている。伝統と歴史のある地方競馬で廃止という問題が俎上にあがるほど経営難で歴代の幹部たちの責任は重い。歴史と文化は郷土の誇りであり伝統のあるものを廃止・破壊をしてしまうと再生は難しい、地方型エンタ〜ティメントの競馬場として、民間の知恵を導入し、斬新な改革で再生を託したい。
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