【 競馬学 】

ラムタラ号売却


「神の馬」ラムタラ号

 「神の馬」ラムタラ号が英国へ売却と報道された。キャリア1戦で英国ダ−ビ−を制覇。4戦4勝の戦績で、キングジョ−ジ・凱旋門賞を制覇。欧州三大レ−スを史上初めての無敗で制覇して「神の馬」として名声を博した。種牡馬として日本の競馬史上最高額の三千万ドル(当時約三十三億円)で1996年に輸入された。
 導入当初かなりの話題になりマスコミ報道もすさまじかったが、種牡馬としての成績は強い・好成績な子供を輩出することが出来なかった。過去の名声はどこえやらで、まことに寂しいかぎりである。しかし、四世代か五世代後にはラムタラの血が生きて活躍馬が出てくるものとして期待をしている。当時すでにニジンスキ−の系統馬が猛威をふるっており、また、長距離系統馬が活躍する番組構成が減少・高速馬場への変化など要因はかなりある。
 顕著な傾向として春の天皇賞・菊花賞の空洞化があげられる。北海道ひだか町の生産者グル−プが前代未門の約46億円(1億1300万円×41株)という高額でシンジケ−トが組まれ、種付料も高額・ニジンスキ−の血を持つ馬も多くなり配合馬の選択の範囲もせまくなり良い馬を輩出出来ない要因もあるのではと考えています。

英国への帰還

 はるか昔、ラムタラの戦績と比べてもひけをとらない英国ダ−ビ−馬が種牡馬として日本に輸入された。仏国の2千ギニ−で二着以外は全勝の戦績。パ−ルダイバ−以後にトウルビョンの直系、ガルカド−ルが導入され大変な評判になったが後継馬を輩出することが出来なかった。世が世であれば貴族の生活が出来たのに競馬後進国に来たのが不運で人間不信となり凄惨な姿となり「岩窟王」などと異名で知られるようになった。世話をする馬丁が虐待に近いような乱暴が原因でともいわれている。最悪な環境で狂い死にしたと伝え聞いている。安い金額で英国に売却されて帰れるだけでもラムタラにとって幸運ではなかろうか。日本の血統評論家と自称する人達が褒め称え馬鹿騒ぎしたころが彼にとって絶頂期だった。寂しく日本を去る、かっての栄冠馬ラムタラ号。
ウルユス嶋穴 記  
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